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アキヒロ目線のブログです。最近は何やら趣旨が曖昧です(笑)
2025.05.01 Thu
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2010.08.05 Thu
『もしドラ』こと

もし高校野球の女子マネージャーが、ドラッカーの『マネジメント』を読んだら!

岩崎夏海さんの初の著書なんですが、
これがめっちゃくちゃ面白いんですよ!!!!!(笑)



まずこの本は「青春小説」という体を取った、ドラッカーの入門書という感じなんですが。
(ドラッカーっていうのは、組織とか企業とかの経営理論を説いた世界的に有名な人。たぶん軍人タイプ)

「ドラッカー入門書」として、ドラッカーを分かりやすく、かつ「高校野球の女子マネージャー」という(しかも「みなみ」なんていう名前の)キャラクターを使って親しみやす〜くしてます。


アキヒロがまず最初に衝撃だったのが、
<組織や事業を定義づけるためには、「顧客は誰で、顧客の欲してることは何か?」を考える>という第一章。

つまり、他人の欲求が自分を定義する。
自分の「○○したい!」という欲求が自分を決めるんじゃなく、他人の「○○してほしい」という想いが自分なんだ!っていうとんでもないことを言い出したんだ!

これがマーケティング(=顧客の欲求の調査と、それを叶えるための準備)という作業で、ここから全ての「組織」や「事業」が始まっていく。



例えば、アキヒロが「面白い漫画を描きたい!」と思って、「自分って何が描きたいんだろう?」から考え始めるとする。
でもそれはドラッカー的に言うと、NG。
「○○したい」では、「アキヒロの描く面白い漫画」という事業を定義できない。
だから、友達に「僕にどんな漫画を描いてほしい?」から始める。
これが事業の第一歩なのだ。
そんな考え方したことなかった!!!!(笑)






と、同時に。

「青春小説」として『もしドラ』を読むとする。
この読み方でも、従来の青春小説と全くテーマがちがってて面白い!


まず、ドラッカー様は、
<組織では、その組織の中の人間の関心を、努力ではなく成果に向けさせなければならない。成果こそ、すべての活動の目的である。
・・・
成果よりも努力が重要であるなんていう錯覚を生んではならない。>
というような、鬼の実績至上主義者!(笑)


(こんなこと言われたら、うちの大学の人はたいてい涙目になると思うけど 笑)



だもんで、その考え方を受け継いだみなみちゃんももちろん、泣く子も黙る実績至上主義。

みなみちゃんは「成果より努力を大切にするというのは、真摯さに欠ける」とまで言い放ちます!

衝撃!!!

ここ、実績を出せてない人間にとっては、深く深く突き刺さる1シーンになったはず!



従来の青春小説というのは、この逆がテーマでした。
つまり、「結果はどうであれ、努力することに意味がある」という考え方。

だからスポ根の漫画やアニメでも、「インターハイには行けなかったけど、俺たちの努力は一生もんだぜ!」で終わるのが常でした。

違うんだぜ!
それは真摯さに欠けてるんだぜ!!!!!






それに加えて、ミステリのような伏線回収!

『ドグラマグラ』のようなラスト!

他にもい〜っぱい読みどころ満載!!

ぜひポストイットを片手に読み進めてほしい一冊!



じゃあ、今日はこのへんで!

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2010.07.15 Thu
先日、ゼミで「『サマー・ウォーズ』回読会」があったよ!
その時のことを、ブログに書きま〜す。

まず、「回読」っていうのは、みんなで一つの本を回し読みするって意味なんだけど。
ここでは、みんなで一つの映画を見て、感想や批評を言い合うって形の会でした!

そこで第一回目の作品に選ばれたのが、細田守監督の『サマー・ウォーズ』。


最初に、気になるワードを調べてきた人が発表するっていう進行だったんだけど。
劇中に出てくる「小惑星探査機あらわし」は、現実にあった「はやぶさ」がモデルになってるんだとか。
「国際数学オリンピック日本代表」に選ばれるだの選ばれないだのの高校生が、「フツーなわけねーだろ」という意見を面白く聞かしてもらってた。
ためになるな〜。

そして、めちゃくちゃビックリしたのが、ジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』のオマージュって意見。

なるほど、言われてみればタイトルも「○○ウォーズ」で似てます。

気になって、昨日TSUTAYAで借りて見ました。
確かに最初の音楽のかけかたとか、クラシック系で統一されてて似てます。
ラストのデススター内部に爆弾を投下するシーンも、小惑星探査機あらわし落下とカブりますよ。

でもやっぱり、話の筋が全く一緒だろ!って点では『デジモンアドベンチャー〜ぼくらのウォーゲーム』ですよね!

この映画は細田守の初監督作品で、『サマーウォーズ』と話の筋がほとんど一緒です。
ネットの中で発生した新種のデジモンが、『遊び』でネットのデータを食い荒らし、暴走(『サマーウォーズ』の「ラブマシーン」と、特性も性格もやってることまで一緒です)。
最後には核ミサイルを主人公たちのいる街に落下させるという、まさに「あらわし」を落下させるところまで同じストーリーになってます。

ここまでやってることが一緒ということは、きっと細田守監督のメッセージっていうのがここにあるんじゃないか?と思います。
一応『サマーウォーズ』のテーマは「家族愛」みたいになってますけど、細田さんが何度蒸し返しても伝えたいメッセージっていうのは、そっちじゃなくて「ネットの暴走」とか「ネットの危険性」とかなんじゃないかな〜?って思いました。


じゃあ今日はこのへんで!

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2010.07.07 Wed
面白い(笑)



実は今度、大学の授業で「アニメ評論会」なるものをすることになった。
その第一回の作品に選ばれたのが『サマーウォーズ』と、この昭和48年にナックで制作された神アニメ『チャージマン研』!

最初、『チャージマン研』と聞いて、「チャージ+マン研」だと思って、どんな漫画研究会の話なんだろう・・・と思ってたんですが(笑)
「チャージマン+研」ということで、研くんという少年が、地球の平和を邪魔するジュラル星人を殺しつくすために「チャージマン」に変身して戦うという(このへんの一切の説明は割愛されてます)少年ヒーローもののアニメだったんですね。


昭和48年制作のアニメですから、この際、絵柄が劇画調だったり、放送コードに引っかかるような言葉をバッシバッシ言ってくれるのは不問にしても、それにしてもアニメの展開が神がかってます(笑)
ちょっとそれが顕著な回をupしときます。

「頭の中にダイナマイト」


登場人物たちの噛み合わない会話のやりとりと、後半の神展開に注目です。

「ハイジャックをやっつけろ」


前半の力の入った尺伸ばしと、ジュラル星人の回りくどすぎる謎展開が見どころ。


正直『サマーウォーズ』より見がいあった(笑)
クセになるんだけど、見すぎるとあまりにもツッコミどころが多いせいで倦怠感が襲ってきます。



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2010.06.18 Fri
「通俗作品は、軽薄であっても真情あふれていなければならない」

ジブリアニメの主たる監督、宮崎駿さんの言葉だそうです。


彼の作品は、その「真情」であふれているからこそ、ドキドキわくわくし、なおかつ奥知れぬ深みを持っているらしい。
じゃあ、「真情」とは一体何なのか?
それをこの『宮崎アニメの暗号』では、徹底的に追究しています。



例えば、『もののけ姫』に登場する「シシ神」。
「シシ神」は森に住む半神半獣の神で、昼間はシカの容貌をしており、夜は巨大なデイダラボッチへと姿を変える。
作者の青木汎さんは、それらの情報からシシ神のモデルになったであろう神や物語を、10種類ほどもあげてます。
なんという脳内ネットワーク!

「シシ神」というキャラクターを見ただけで、そこまでいろんなイメージがフラッシュバックしたとしたら、なんて楽しいんだろう!
いやいや・・・青木さんが伝えたいのは、そんなことじゃないんだろうけど。
視聴者として「作品の見方」も勉強になる本なのですよ。
そして、クリエイターとしても。

青木さんはこの本の中で、「真情」とは「○○である」という結論に達してるんですね。
それはクリエイターとして、作品にパースペクティブを与えるとても重要な要素だと思います。
それはあえて、ここでは言わないでおきます。
気になる方はぜひ読んでみてください。

じゃあ、みなさん。
楽しい週末を送ってくださいね〜。


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2010.05.25 Tue
湊かなえの『告白』読みました!
これは、マジでおすすめっすよ。


この小説、2008年の「このミステリーはすごい!」で4位にランクインし、2009年の本屋大賞を受賞したという作者のデビュー作。
ミステリとして区分けするなら、とんでもなく異常な小説。

ストーリーを掻いつまんで言うと・・・
中学1年生の担任を受け持つ「悠子先生」は、終業式後のホームルームで、「自分の娘は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたのです」と告白する。
「愛美」を殺した少年A、B。それを育てた母親たち。
彼女らから語られる驚愕の真相とは・・・!?
という感じ。

この小説のスゴイ!と思ったところは。
まず、この本に登場する人物は、全員「罪人」なんです。
全員が全員、大なり小なりの罪を抱え、おのおのの価値観で、章ごとに交代する人物によって「正義」や「悪」や「裁き」が語られます。
だから「少女殺害」という1つの事件にしても、「被害者の親」や「加害者の友達」など、さまざまな立場において全く異なった見解(真逆と言っていいほどのものも)を持っている。
これが自分の視点の甘さを揺るがせにしてくれて面白い。

後、犯人が冒頭から分かっている、というのも新鮮に感じた。
その「犯人が分かっている」というのも、読者が分かっているのではなく、「悠子先生」がすでに犯人を突き止めているという状態です。
これから誰かが殺されるわけでもなく。
これから犯人を捜索するわけでもなく。
「悠子先生」は、自分の娘が殺され、犯人は分かっているけど、「それを警察には言わない」と言う。
一体、これから何が始まるのか?

衝撃だったのが、この『告白』の第一章「聖職者」。
これを見て!↓


これは語り手「悠子先生」による独白の一部なんだけど。
見てのとおり、「改行」がめちゃくちゃ少ない。
淡々とした口調で、ほとんど息継ぎがないくせ、「私の娘は殺された」と過激なことを言う。
これがすごくサイコなイメージで、読者の不安を掻きたてるのに一役買ってます。

この章タイトルの「聖職者」とか、「殉教者」、「信奉者」とかからも分かるように、タイトルの『告白』というのは、通常の意味での「告白」と、キリスト教において自分の信仰を告白し、自分の罪を赦してもらう「告白」とをかけているんだと思う。

う〜〜ん・・・面白かった!!
ホンマにおすすめです!

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男性
誕生日:
1988/10/07
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芸大生
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漫画、映画、小説、音楽etc
自己紹介:
ほぼ2日おきに、面白かったこと、気づいたことをupしようと思います。調子に乗りすぎず、自重したブログ運営を目指します。
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