忍者ブログ
Admin / Write
アキヒロ目線のブログです。最近は何やら趣旨が曖昧です(笑)
2025.04.30 Wed
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2010.05.25 Tue
湊かなえの『告白』読みました!
これは、マジでおすすめっすよ。


この小説、2008年の「このミステリーはすごい!」で4位にランクインし、2009年の本屋大賞を受賞したという作者のデビュー作。
ミステリとして区分けするなら、とんでもなく異常な小説。

ストーリーを掻いつまんで言うと・・・
中学1年生の担任を受け持つ「悠子先生」は、終業式後のホームルームで、「自分の娘は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたのです」と告白する。
「愛美」を殺した少年A、B。それを育てた母親たち。
彼女らから語られる驚愕の真相とは・・・!?
という感じ。

この小説のスゴイ!と思ったところは。
まず、この本に登場する人物は、全員「罪人」なんです。
全員が全員、大なり小なりの罪を抱え、おのおのの価値観で、章ごとに交代する人物によって「正義」や「悪」や「裁き」が語られます。
だから「少女殺害」という1つの事件にしても、「被害者の親」や「加害者の友達」など、さまざまな立場において全く異なった見解(真逆と言っていいほどのものも)を持っている。
これが自分の視点の甘さを揺るがせにしてくれて面白い。

後、犯人が冒頭から分かっている、というのも新鮮に感じた。
その「犯人が分かっている」というのも、読者が分かっているのではなく、「悠子先生」がすでに犯人を突き止めているという状態です。
これから誰かが殺されるわけでもなく。
これから犯人を捜索するわけでもなく。
「悠子先生」は、自分の娘が殺され、犯人は分かっているけど、「それを警察には言わない」と言う。
一体、これから何が始まるのか?

衝撃だったのが、この『告白』の第一章「聖職者」。
これを見て!↓


これは語り手「悠子先生」による独白の一部なんだけど。
見てのとおり、「改行」がめちゃくちゃ少ない。
淡々とした口調で、ほとんど息継ぎがないくせ、「私の娘は殺された」と過激なことを言う。
これがすごくサイコなイメージで、読者の不安を掻きたてるのに一役買ってます。

この章タイトルの「聖職者」とか、「殉教者」、「信奉者」とかからも分かるように、タイトルの『告白』というのは、通常の意味での「告白」と、キリスト教において自分の信仰を告白し、自分の罪を赦してもらう「告白」とをかけているんだと思う。

う〜〜ん・・・面白かった!!
ホンマにおすすめです!

拍手[1回]

PR
*Comment*
Name :
Title :
Color :
Mail :
URL :
Comment :
Pass :   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
   HOME   
71  70  69  68  67  66  65  64  62  60  59 
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[11/27 アキヒロ]
[11/26 ば。]
[11/23 アキヒロ]
[11/04 ば。]
[10/23 アキヒロ]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
アキヒロ
年齢:
36
性別:
男性
誕生日:
1988/10/07
職業:
芸大生
趣味:
漫画、映画、小説、音楽etc
自己紹介:
ほぼ2日おきに、面白かったこと、気づいたことをupしようと思います。調子に乗りすぎず、自重したブログ運営を目指します。
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析
忍者ブログ [PR]